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元海外在住夫婦のお買い物日記

元海外在住夫婦のお買い物日記

レンズ選びのポイント

通販でメガネ、サングラスを買う -> レンズ選びのポイント


1.間違ってませんかレンズ選びのポイント


ここでは、近視用のプラスチックレンズ(マイナスレンズ)について説明します。

レンズには、比較的安いものから高価なものまでありますが、一体何が違うのでしょうか?

価格を決定する要素は、主に次の3つです。

・屈折率(屈折率は、使われる材料で決まる)
・レンズの表面カーブの設計
・コート

まず、屈折率ですが、屈折率が高いレンズほど、度数が同じならレンズの厚みが薄くなりますが、反面、プリズム効果による色の滲みが起こりやすい傾向があります。
価格的には、屈折率が高いレンズ程、高価になりますが、メガネユーザーは、見た目を重視する傾向がありますので、ある程度の度数の近視の場合は、レンズが薄く仕上がる屈折率の高いレンズが好まれる傾向があります。


次に、レンズの表面カーブの設計ですが、球の一部を切り抜いた球面が基本になります。球面レンズでは、度数が大きくなるにつれレンズ周辺部の像の歪が大きくなり、自然に見えません。

それを解消したのが非球面レンズです。非球面レンズにも種類があり、最も一般的なのはレンズ外側の設計を非球面にした(外部)非球面レンズです。

※単に非球面と表示される場合は、「外部非球面」を指すのが一般的です。

(外部)非球面レンズには、レンズ周辺部の像の歪が小さく、より自然に見えると言う利点があります。また、レンズの出っ張りが少なくなりますから、レンズの厚みも抑えられます。しかし、レンズ周辺部の度が甘くなると言うデメリットもあります。つまり、レンズの(光学的)中心で見る限りは、球面レンズよりも、周辺部まで自然に見えます。

(外部)非球面レンズは、工程が増える分、球面レンズより若干、価格が高くなりますが、同じ屈折率のレンズなら価格上の差は、それほどありません。

また、外部(非球面)レンズの欠点を補った設計として内部非球面レンズや両面非球面レンズがありますが、価格は更に高くなります。


最後にコートですが、レンズには、キズを防ぐ「ハードコート」と反射を防ぐ「マルチコート」と呼ばれるコート処理が行われるのが一般的です。

それ以外に、オプションとして、汚れを拭き取り易くする「撥水コート」、「曇り防止コート」、「耐衝撃コート」などが用意されてることがありで、オプションコートを付けると当然、価格は高くなります。


つまり、高価なレンズとは、屈折率が高く、非球面設計で、特殊なコートが施されたレンズと言うことになりますが、

単純に

高価なレンズ = 光学的に性能の良いレンズ

ではありません。

光学的にはむしろ、安いレンズの方が優秀です。


レンズには、以下の傾向があります。

1.度が強くなるほど、レンズの厚みが増す。
2.度が強くなる程、周辺部がぼやけたり、歪んで見える。つまり鮮明に見える視野が狭くなる。
3.屈折率が高い材質、度が強いほど、分散(プリズム効果)によって色に滲みが出やすい傾向がある。


メガネユーザーが好んで高価なレンズを選ぶ最大の理由は、レンズの厚みです。
度が強い場合は、どうしてもレンズが厚くなり、見た目が悪くなります。
そこで、屈折率が高い高価なレンズを使えば厚みは抑えられますから見栄えが良くなります。

度が強ければ、見え方にも不自然さが出ますから、それを補正するレンズとしては、より高価な非球面設計のレンズが優れていますし、更に厚みも薄くなります。

度が強い人は、理由があって高屈折率、非球面設計のレンズを買うことになります。ただし、こう言ったレンズはアッベ数が犠牲になりますので、人によっては色の滲みをレンズの端に虹を感じる場合があります。


逆に度が強くない人は、高価な高屈折率レンズや特殊な設計のレンズは不要です。
度が強く無いということは、普通のレンズでも自然に見えると言うことですので、非球面設計のレンズを選んでもあまり効果は得られないでしょう。


予備として購入する場合の注意点ですが、今使っているメガネとスペック(屈折率、設計)が異なるレンズを使うと違和感が出やすくなります。
今、使っているメガネのレンズと同等のスペック(屈折率、設計)のものを選べば一番無難で、メガネを掛けかえた時の違和感も小さいはずです。

私もそうでしたが、「すごく目が悪い。」と思い込んでいる人の大半は、実際には中度の近視であることが多いと思います。実は、高価なレンズは必要ないかもしれません。



2.レンズメーカー


メガネレンズの分野では、HOYA、ニコン・エシロール、SEIKO、カール・ツァイスなどが有名ですが、どうしても価格は割高になってしまいます。

その他、SEED(コンタクトがメイン。)やペンタックス(現在は、SEIKOの1ブランド。)などもメガネレンズを製造、販売していますが、これら誰もが聞き覚えのあるメーカー以外でも優秀なレンズを製造しているメーカーは沢山あります。

価格を下げたいなら、下記のメーカーも考慮に入れましょう。

TSL(伊藤光学)
東海光学
アサヒオプティカル
日本レンズ
・ITOレンズ(イトーレンズ)

上記は、高品質で比較的安価なレンズを製造するメーカーです。
TSLと東海光学、イトーレンズのレンズは、実際使用していますが、なんら問題ありません。
名前は知られていなくとも、品質が高く、すべてのレンズを日本で製造しているメーカーもあります。
逆に大手メーカーの価格の安いレンズは、海外製造やOEMの場合があります。


その他の通信販売店で目にするレンズメーカーとして

・コダック
・SAビジョン

があります。コダックは、アメリカの光学メーカーで日本でも馴染みがあります。SAビジョンは、アメリカのレンズメーカー「Signet Armorlite」の日本法人です。「Signet Armorlite」は、アメリカでは有名なメーカーなようでコダックのレンズも製造しています。しかし、激安メガネで使われるような価格の安いレンズは、韓国メーカーのOEMだったりします。

SAビジョンのレンズは、家用のメガネで使っていますが、特に問題はありません。

敢えてレンズメーカーを記載していないショップも多いですが、質問すれば教えてくれる場合が多いですね。
メーカー名を記載していないショップ、聞いても教えてくれないショップは、逆に言えばメーカー名を言い難い製品を使っているとも言えます。

コダック、TALEX、SAビジョン、コンベックスと言ったレンズメーカーは、偏光レンズや調光レンズを製造しており、スポーツグラスに力を入れているショップでは、よく見かけます。

サクサン・オプティカルなどは、殆ど無名のレンズメーカーですが、製品である「b.u.i」、「Revra」は取扱うショップも多く、メーカー名より、製品名の方がよく知られています。



3.屈折率とレンズの厚み


現在、メガネレンズの主流は、軽くて丈夫なプラスチックレンズです。
プラスチックレンズと言っても様々な材料が使われており、材料により屈折率などの性質が異なります。

屈折率が高いレンズは、同じ度数でも屈折率が低いレンズよりも薄くなるというメリットがありますので、ある程度の度数が必要で、レンズに厚みが出るのを避けたい場合は、屈折率が高いレンズを選ぶことになります。

ただし、屈折率が高いほど、プリズム効果が出やすく、色の滲みや虹が見えたりする場合があります。プリズム効果の程度は、アッベ数で表され、アッベ数が高いほどプリズム効果は出難くなります。

高屈折率=高性能ではないので注意を。

自分の度数とレンズの厚みを計りにかけて、屈折率を選べば良いわけです。

度数で、近視を分類すると

-3D未満・・・軽度近視
-3~-6D未満・・・中等度近視
-6D以上・・・高度近視

となります。
乱視がある方は、近視度数に乱視度数を足して考えてください。
近視が-2.75Dでも乱視があり、-0.50Dならば、-2.75+(-0.50)=-3.25で中等度と考えましょう。

今度は、近視の程度から、最適な屈折率を割り出すと下記の通りになります。
レンズの厚みがあまり出ないように考慮しています。

・1.50・・・軽度
・1.56・・・軽度~(中等度)
・1.60・・・軽度~中等度
・1.67・・・中等度
・1.70・・・中等度
・1.74・・・中等度~高度

レンズの厚みは、レンズの設計やフレームのサイズなどにも左右されますので、上記はあくまで目安です。

高度近視の方は、厚みを抑えたいならガラスレンズも考慮に入れたほうが良いでしょう。

また、レンズの厚みを抑えたいなら、フレームの形やレンズサイズにも注意しましょう。
近視用のレンズの場合、レンズの周辺部ほど厚みが増すので、小さくレンズを切り抜ける小さめのフレームなら、多少屈折率が低いレンズを使っても厚みはそれほど出ません。

逆に、屈折率の高いレンズを使ってもフレームのレンズサイズが大きい場合は、どうしても厚みが出てしまいます。

私の度数は、

右-2.50D
左-3.00D 乱視-0.50D

ですが、左目は乱視があるためレンズ幅が50mm程度の大き目のフレームだと、屈折率1.60のレンズを使っても左側のレンズに多少厚みが出てしまいます。
この厚みは、ツーポイントやナイロールのような枠のないフレームでは、少し気になりますね。

また、小さ目のフレームで枠があるなら、1.56でもさほど厚みは気になりません。

それから、レンズの強度ですが、激安メガネでよく使われる屈折率1.56、1.74のプラスチックレンズは、比較的割れやすく、ツーポイントタイプなどレンズに穴を空け、螺子でレンズを固定するフレームに向きません。

比較的丈夫なのは、1.60、1.67、1.70あたりです。

激安の通販店の標準レンズは、屈折率1.56のものが多いですが、これは、単に比較的屈折率が高く、価格が安いからでしょう。しかし、前に書いたとおり、割れやすいと言うデメリットもあります。

通販店でも、(言い方は悪いですが)きちんとしたお店は、屈折率1.50のレンズはあっても、1.56は扱っていないことが多いです。



4.レンズの設計


通常、メガネ用のレンズは、球面の一部を切り抜いたようなカーブが付いてます。所謂、球面設計のレンズです。

それに対してレンズのカーブを抑えた非球面設計のレンズも存在します。

非球面設計のレンズのメリットは、球面レンズ特有の周辺部の像の歪みを抑えたれる事と、同じ屈折率、度数なら球面レンズより薄く作れる事が上げられます。しかし、周辺部の度が甘くなると言うデメリットもあります。

非球面設計のレンズには

・(外面)非球面
・内面非球面
・両面非球面

の3種類があり、(外面)非球面のレンズは、レンズの外側を非球面設計にし、像の歪を補正したレンズで、比較的安価なので購入しやすいと思います。それに対して内面非球面レンズは、レンズの内側を非球面設計にし、像の歪を補正したレンズですが、通常乱視の度は、内側に入るので、乱視の強い人にメリットがあります。両面非球面レンズは、両面で補正するため、効果は高いですが値段も随分割高になります。

ただし、像の歪みを感じるか感じないかは、個人差、度数、レンズの大きさなどにも左右されますので、一概に非球面レンズにメリットがあるとは言えません。(球面設定と比べて、多少、レンズが薄くなるというメリットはありますが・・・。)

そもそも、レンズの特性として、どうしても収差(歪み)が発生すると言っても、そのうちに脳が補正してくれるので、逆に球面レンズに慣れた人は、非球面レンズの見え方に最初のうちは違和感を感じるかもしれません。

また、フレームの形状(レンズ部分のカーブが強めのフレーム)によっては、非球面レンズが合わないこともあります。

スポーツタイプに多いですが、レンズ部分のカーブが強く、球面レンズも収まらないフレームが中にはあります。
レンズのカーブは、1~10の数値で表記され、通常のメガネフレームは、2~5カーブのレンズが収まることを想定して作られています。

ちなみに、球面レンズは、4カーブ前後で、非球面レンズは、1カーブ前後です。

レンズカーブの大きなフレームに対応した6カーブ、8カーブと言った高カーブレンズを取扱うショップもあります。度付きの高カーブレンズでは、通常の球面レンズでも見られる像の歪みが強く出やすいので注意しましょう。



5.コートとカラー染色


市販のプラスチックレンズの大半は、キズを防ぐハードコートと反射を防ぐマルチコートが入っています。この2つは必須コートと考えた方が無難でしょう。

また、オプション(または、標準装備)で、汚れを防止するコート、耐衝撃性を高めるコートなども用意されています。

オプションコートは、必要に応じて考えましょう。オプションコート無料や割引キャンペーンなども結構ありますので、探してみましょう。


また、プラスチックレンズは、カラー染色が可能です。
色と濃さが選べますので、染色しても面白いでしょう。
ファッションで薄めの染色しても良いですし、濃い目の染色すれば、度付きサングラスにもなります。

ハードコートを施す前に染色する必要があるため、基本的にレンズは、受注生産になりますが、1週間~10日程で出来上がります。また、通販店では、染色代は、プラス2,000~3,000円程度なのでお金もそれほど掛かりません。


どうせなら、染色の際に、以下のようなオーダーをお願いすること有りです。
たとえば、東海光学などは「外側だけマルチコート抜き」といったオーダーが通ったと思います。
外側だけ反射防止コートを抜くことで、ミラーのような効果が得られます。

変わったオーダーを出す時は、融通の聞くレンズメーカーのレンズを選ぶこともポイントです。

それから、店頭で染色しているメガネ屋さんもありますが、コートを施した後のプラスチックレンズは染色できませんので、これらのレンズにはコートが入っていません。

受注生産と言ってもそれほどお金は掛からないので、工場染色をオススメします。

また、偏光レンズや調光レンズ、高カーブレンズを取扱うショップもありますので、本格的なスポーツサングラスやアウトドアサングラスを度付きで作ることも可能です。



6.製造国


激安のメガネで使われる比較的屈折率が低く、低価格のレンズは、有名メーカーのものでも韓国製、中国製のものが多くなります。

生産工場が複数有り、日本製と海外製が市場に混在するようなレンズもあります。

また、海外の自社工場生産ではなく、海外メーカーからのOEM品だったりする場合も少なくありません。

国産にこだわる人も少なくないでしょうが、単価が安い屈折率が比較的低いレンズの場合、海外生産の場合が多いのが実情です。


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